5月21日・午前

我が家にいるときと同じ9時前にはベッドに入り
ほとんどすぐに就寝、早朝3時から4時前には
目が覚める習慣がこの旅でも続いています。

ベッドに入ってもすぐに眠れるので
睡眠十分、体調もベストな毎日です。

この日も早朝5時前には茅野市のホテルを出ましたが

昨日は朝飯抜きで失敗したので、途中のコンビニで
サンドイッチとコーヒーの軽い朝食をしてから
八ヶ岳を横断して埼玉県秩父市まで走る国道299号線
(長野側は通称メルヘン街道)を麦草峠に向かいました。

蓼科山ともお別れ(5時20分)

 

奥蓼科温泉郷や別荘地帯などの細い道を
徐々に上りながら走ると、少し雪景色に変わってきました。

そういえば
夜中に一度目が覚めたらかなり激しい雷雨でしたが
まさか雪が積もるなんてまったく予想していませんでした。

もうこれ以上積もったら
日影は少し棄権だなと心配になってきたころ
この日の最初の目的地・麦草峠に着きました。

麦草峠(標高2127m)

群馬と長野にまたがる
渋峠についで、国道では標高2位
この峠が八ヶ岳横断道路のピークになります。

 

北見を出発して旭川に行く途中の石北峠では
ミゾレの吹雪状態でしたが、それは北国
北海道のことなので予想の範囲内ではありました。

それがまさか長野県で雪に遭うとは。

考えてみたら
この麦草峠は石北峠の2倍以上の高所。
北海道最高峰の「大雪山・旭岳」と
たいした変わらない高さのところにあるんです。


この雪景色を見て
楽しみにしていた八ヶ岳への初登山は
諦めることにして麦草峠を少し下りました。

そろりそろりと2~3分
峠を下ると白駒池の案内看板を発見(6時)



この白駒池も
八ヶ岳のガイドブックで読んで知っていましたが
八ヶ岳縦走や散策には重要なポイントのようなので
寒い中を少し歩いてみることにしました。

やはりガイドブックに
出ていたようになかなかいいところです。

まだ6時を過ぎたばかりでしたが
地元・諏訪から来たという、50代くらいの
女性が一人で写真を撮っていました。

こんな寒い朝
かなり値段の高そうなカメラを持って、撮る姿も
私のようなへっぴり腰でなく、さまになっていたので
もしかしたらプロの写真家かと思ったりしました。


 

池の出口が近くなった頃
心配そうな顔をして立っていた青年がいました。

白駒池の周辺をハイキングしたり
登山したりの予定だったようですが、この雪の
悪路のためにちょっとためらっていたようでした。

私が
「とりあえず、池の方はなんとか大丈夫ですよ」
と言ったら

男性は
少し安心したように池へ向かって行きました。

雪のために登山は出来なかったけれど
これで少し満足して帰り道へ#59139;

と思うでしょう。

それが違うんです

 

白駒池を歩いてるうち
景色もそこそこに考えていたんです#59124;

「八ヶ岳の初登山を、楽しみにしていたのに
このまま信州から去るわけにはいかない
たとえ入口から少しでもいいから登ってみよう#59140;」

このままじゃ悔いが残ると、さっき下って来た道を
麦草峠の駐車場まで引き返してしまいました。

 

この道案内の字が読みにくいので
手で雪を払おうとしたのですが
日影なのでまだ氷ついていました。

早朝から晴れ上がっていたので
かなりの冷え込みだったと思います。

八ヶ岳初挑戦は
麦草峠から一番近い茶臼山(2384m)
登山口との標高差は僅か260mくらいです。

 

登山口まで来たのですが、最初から
足場がぬかるんだりしてかなり悪い状態です。
それでもそのうち良くなるかもしれないから
行けるところまでと行こうと歩き出しました。

茶臼山登山口(7時10分)

しばらく歩いても、そのうち良くなるどころか
足元の石がだんだん大きくなって岩になり
雪をかぶって非常に滑りやすくなっています。

雪景色のため進路も心配になってきました。
もう少し見通しが良かったらまだ進めましたが
もしも林の中で迷ったら大変なことになるので
ここでいさぎよく諦めることにしました。

登山スタートから50分
八ヶ岳初登山もこのへんで撤退(8時)

 

登山口まで戻ると足跡がたくさんありました。
駐車場で見かけた登山姿の二人の山ガールは
入口まで来たのに諦めて戻ってしまったようです。

たいした標高差ではないし、見た目は登り
やすい感じの山でしたがやっぱり八ヶ岳です。

雪と誰も人がいない状態での茶臼山は、低山を
のんびり登山中心の自分には無理がありました。

それでも、白駒池から引き返して
八ヶ岳をほんの少しでも体験出来たし
こんな状態では自分には無理だと確認も出来たので
諦め感と満足感でもう何も悔いは残っていません。

こうして心残りもなく
次の目的地・埼玉県深谷市に向かいましたが
その後も景色のいい高原ドライブが続きます。

軽井沢方面に見えるのはたぶん浅間山?

 
この遠くに見える山は
独特の山姿なので、群馬と長野の
県境にある「荒船山」とすぐに分かりました。
 

 


このまま佐久市の方に向かえば良かったのですが
まだ時間に余裕もあったし「出来るだけ景色のいい
田舎道の国道を走りたいと」欲を出してこのまま
299号線を群馬県上野村に向かうことにしました。

これが大間違い#59122;

国道なのに
さっぱりクルマは通らないうえに、あとでこの
国道は「大型車通行止め」なんて知りました。
しかもますます細い道になって延々と続きます。

これホントに国道かと心配になりますが
たしかに「国道299号線」の標識が
立っているので間違いないのです。

これじゃあ軽四輪だってすれ違えません。


これが国道???心配しながら
長野と群馬の県境「十石峠」に向かう

 

こんな林道のような山道の国道を、1時間近くも
走って上ってようやく十石峠に着いたのですが
対向車も後ろから来るクルマもまったくのゼロ。

や~っとこの駐車場で1台の
クルマを見つけてホッとしたのですが
間もなく先に群馬のほうに走り去っていきました。

 長野と群馬の県境・十石峠


この峠から群馬県

 

ここまで来たら、あとは上野村の中心部まで
下るだけと気持ちは少し楽になったのですが
こんどは道路のあちこちに落石が転がっていました。

こんな尖って切れ味鋭いような石を踏んで
タイヤがバーストでもしたら大変なので
ゆっくりと落石を避けながら走ります。

ナビの音声は出ない
携帯の電波は通じない
クルマだって通っていないのだから
本当に心細い道でしたが、上野村の最初の民家が
見えたころ、やっと1台のクルマにすれ違いました。

そこの民家の人に聞いたら
「このまま299号線を走るよりも
下仁田のほうに出たほうがいいですよ」

とおしえてくれました。

少し道路は良くなってきましたが

もう変な山道を走るのは懲り懲り#59124;

忠告に従って299号線から
別かれて下仁田に向かいました。


たとえ「100万円やるから走れ」と言われても
こんな道を、昼間も嫌だけど夜は絶対お断りです#59121;

ここで299号線と別れて下仁田へ(10時30分)

 
この日は午後2時半に埼玉県川口市に住む兄と
埼玉県深谷市駅で待ち合わせていたので
群馬や埼玉を通る幹線・国道17号線に向かいました。

なお

あとで兄にこの道の話をしたら
「上野村のあのへんは関東のチベットと言われてる」
と聞いて、なるほどと納得したものです。

それから

高速道路なんか走ると
旅の面白さが半減してしまうので
高速道路を走るのは必要最小限にして
出来るだけ一般道を走るようにしていました。