今日は前回の記事の続きです。

北見の近くの「チミケップ湖に」幽霊が出るという
このミステリーも上巻下巻と読み終えました。

 
幽霊事件の方は北見の名物じいさんといわれる
金田老人が大活躍して無事に解決したのですが


最後はとてもドラマチックでした。

人妻だった77歳の女性・岐栄がまだ40代のはじめの頃
20代の独身男性・芹沢と過ちを犯してしまったのです。

それから何十年、物語の最後

岐栄は芹沢との再会を胸に秘めて、ふるさと銀河線北見駅から
東京に向かうのですが、途中の陸別駅では反対側のホームに
逆方向の北見行きの列車が止まっていました。

そして列車の中には・・・なんと!芹沢が

「岐栄さん、とうとう会えるんですね、あなたと」

あのとき愛しあった芹沢が
岐栄の住むチミケップ湖に行くために
ふるさと銀河線北見駅に向かっていたのでした。

こうして結末は「ふるさつ銀河線陸別駅」で、無情にも
すれ違いになってしまい、会うことは出来なかったのです。

 

この物語の舞台になったチミケップ湖
遠い過去には悲惨な事故もありました(2010年10月)

 


私も若いころ聞いたことがあった話なので
この物語の作者吉村達也さんの文を引用させて
もらって少しチミケップ湖の話をします。

少し昔、近道をするために
冬は材木を満載したトラックがチミケップ湖の氷上を
利用していたそうですが、2日間続いた暖気の後の

昭和31年2月1日

最初に氷上を渡ったトラックの運転手は
いつもと違うような気がしたそうですが無事に通過します。

そして数時間後
別な4人乗りのトラックが氷上を渡ろうとしたのですが
一人だけ、この日は嫌な予感がしたのでトラックから降りて
トラックの後を走って渡りました。

そして運転手も含めた3人の乗ったトラックが走りだしてから
いつもの最短距離から外れて右側にハンドルを切ったあと
氷がズバンと割れて、一瞬に氷の下に消えてしまったそうです。

その後#59138;

真夏の夜に湖の上を、トラックがヘッドライトを点けて
悲しそうに「バォーン」とクラクションを鳴らしながら湖岸に
向かう姿を、キャンプする人達が見ているような話もありました。

そして、このトラック事故現場の近くの旅館の
子供さんが湖に落ちて亡くなったり、それからボート事故
そして泳いでいて水死などいろいろ事故もあったようなのです。

そんな悲劇が続いた静かなチミケップ湖(2010年10月)

 

ふるさと銀河線沿線で、北見から1時間ほどの
陸別町ではふるさと銀河線りくべつ鉄道として
いまも、駅と気動車を保存して頑張っています。

きっと皆さんも
この陸別町の名を聞いたことがあると思うんですが
冬はときどきマイナス30度を超えて寒さ日本一になる町。 

そして
手が届きそうな気がするほど、空いっぱい星の輝く町

物語のなかで
岐栄と芹沢がすれ違いになってしまった
ふるさと銀河線陸別駅(2008年5月)

駅構内を15分ほど運転体験も出来ます(2,000円)。

 

こちらは北見駅

ふるさと銀河線が廃止になった後は
網走と札幌を結ぶ石北(せきほく)本線だけになりました。