5月20日・午後


朝から高原ばかり走っているので
特別に高い峠とは思わなかったのですが
美ヶ原高原から霧ヶ峰高原に行く途中
扉(とびら)峠という標高1580mの峠があります。

この扉峠のただ1軒のドライブインに寄ったら
70歳近い母親と、40代くらいの娘のような親子に
見える女性が二人で開店の準備をしているところでした。

扉峠の古いドライブイン

 

このドライブインのそばから遠くを見ると
蓼科山(2530m)など八ヶ岳が見事な眺めです。

 

そしてドライブインのテラスからも

 

まだ10時頃でしたが、この日は何も食べないで
美ヶ原を歩いたりしたので腹がペコペコです。
 
ここで朝食兼昼食をとることにしました。
 
こんな素晴らしい景色を見ながら、ドライブインを
自分一人で貸し切りのようにして食べた「かつ丼」と
近くの山で採れたという「キノコ汁」の美味かったこと。
 
 

食べ終えてドライブインを出るときに
ここの女将さんに
「さすがこの峠で何十年も
営業しているだけあって、ベテランの味ですね~
こんな美味しいかつ丼を食べたのは久しぶりですよ。」
 
と言うと
 
「お客さんにそう言っていただけるのが
一番嬉しくて・・・こんどは9月ころにぜひ
来てください、紅葉がとってもきれいなんですよ」
 
しんみりした顔をして私を見送ってくれました。
 
 
思わぬところで出合った
美味いかつ丼と素晴らしい景色に大満足。

また走って
霧ヶ峰に着いたとき、昼12時になりました。
 
 
さっそくお目当ての霧ヶ峰の最高地点・車山に
登り始めますが、かつ丼の栄養が全身に回ったのか
美ヶ原で空腹のためにフラついたのがウソみたいに

絶好調#59134;
 
 
振り向けば、駐車場の向こうに南アルプスも見えます。
 
早足で40分くらい登ったころ
車山のシンボル・気象レーダーが見えました。
 
 

着きました。

美ヶ原のように360度すばらしい眺めですが
北アルプスが小さくなったかわりに
蓼科山など八ヶ岳がすごく大きく見えます。
 
なんというおおらかな風景#59140;
車山頂上(1925m)
 
この神社で、無事にここまで来れたお礼と
「出来ましたら、またいつか来れますように」と
しっかりお願いもしてきました。
 
 
蓼科山が目の前
 

 

予想を超える素晴らしい山景色と登山も出来たので
満足して下山後、今夜の宿泊地・茅野市に向かって
走り出しますが、ずーっといい景色が続くので
すぐにクルマを停めては景色に見入ってしまいます。

さすがはビーナスライン

 

ここで景色を見て、ため息をついていたら
親子連れと思われる30歳くらいの男性と
60歳くらいの女性が私のところにやってきました。

 

 

60歳くらいの女性
「私ね~北見に行ったことがあるんですよ
そのときはキツネ牧場など見たんですけど」

話を聞くと
息子さんが母の日のプレゼントにと、大阪から
クルマで旅に出て、今日は美ヶ原の「王ヶ頭ホテル」に
泊まって星を見るのを楽しみにしてると言うのです。

しばらくお喋りを楽しんで別れましたが
心優しい息子さんとお母さんのためにも
なんとか今晩は晴れて欲しいものだと思いました。

しかし、この日の夜中(茅野市のホテルで)は
かなり長いあいだ、雷と激しい雨が降っていたので
星を見ることは出来なかったかもしれません。

それでも翌朝はきれいに晴れたので
たぶん、「王ヶ頭ホテル」の部屋の窓から
美ヶ原名物?の素晴らしい雲海は見れたことでしょう。

その後さらに茅野市に向かうと
むかし懐かしい白樺湖に着きました。

蓼科山(2530m)に最接近

ここでは主役の白樺湖もけして
小さくはないのですが、蓼科山が大きいので
どうしても蓼科山のほうが目立ってしまいます。

 

実は、父が大阪万博の見物の帰り、当時私の
住んでいた愛知県豊田市に寄ったことがありました。
そのときこの白樺湖に連れて来たんです。
 
今回はたしか三度目の白樺湖になりますが
あの頃はまだ登山にも興味がなかったので
こんな高い山(蓼科山)があったなんて記憶にありません。
 
こうして快晴のもと、美ヶ原から霧ヶ峰を楽しんで
この日の宿泊地、茅野市のホテルに着きましたが
どこを歩いても八ヶ岳が見えるので
ホテルに着いてからも1時間ほど街を散策しました。
 
このスーパーからも八ヶ岳が見えます

毎日のように
こってりしたものばかり食べていたので
さっぱりしたものが食べたくなってしまって

この日はホテルの近くの、イオンにも
負けないくらい大きな「おぎの」というスーパーで
生ずしと、ツマミに焼き鳥を3本買ってホテルに帰りました。
 
ホテルで入浴後、缶ビールを飲み飲み

 
やれやれ

絵葉書でも見ているような
素晴らしい山景色が連続の一日も終わり
明日は八ヶ岳を横断して関東に入ります。

 

 あと書き

この茅野市や近くの上諏訪と八ヶ岳など「梓林太郎」の
山岳推理小説の舞台になることが多いのですが
茅野市で宿泊するホテルのフロントの男性も「梓林太郎」の
ファンだということで、話が盛り上がってしまいました。

最初に言うのを忘れましたが

旅先での見知らぬ人達との
出合いや会話も旅の大きな楽しみなので
できるだけそのお喋りの様子も再現しています。