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故郷へクルマで帰る 第二話 [黒い玉手箱]

黒い玉手箱(愛知県在住時代の昔話)

(写真はすべてネットから拝借しました)

前日はまったく寝ないで走り続けたので
二晩目はクルマの中でぐっすり眠ることが出来ました。

1972年8月1日

早朝目覚めてすぐに田沢湖に向かって出発。

走り出して間もなく、私の走っている道路の眼下に田沢湖が見えました。

あまり走らないうちに田沢湖が見えたので
二晩目の車中泊は、たぶん田沢湖の近くの山中だったと思います。

朝早いせいか、もやがかかって湖はきれいに見えなかったのですが
念願だった田沢湖を見ることが出来ました。

田沢湖

1.jpg

田沢湖からは盛岡に向かいますが、この間が山の中の何もない道路で
すごく長く感じて、盛岡はまだかまだかと走った記憶がありました。

そして盛岡からは東京と青森を結ぶ国道4号線に入って、夕方前に青森に到着。

無事に青森に着いたと書きたいところですが・・・[ふらふら]

やはり夏休み最中ということで
北海道行きのフェリーは混雑していて夜中の便に乗ることになりました。

それでも青森まで来ると北海道は目の前・・・ということで

安心してしまって気が抜けたのか、北海道を目の前にして
キーを車内に入れたままドアをロックしてしまったのです。

私も一瞬途方にくれてしまったのですが
このとき近くにいた人が、私の困った様子を見ていて
自分のクルマに戻って道具箱を持って来ました。

昔のクルマはドアの前方に三角窓がついていたのですが
その三角窓の隙間から針金をいれて
三角窓のロックに引っ掛けてロックを解除。

そして三角窓に手を入れて腕を伸ばしたらドアのロックに手が届きました。

こうして親切な人のおかげで難をのがれて
夜中11時50分函館行きのフェリーに乗ることが出来たのです。

41年前の乗船券(クルマとドライバーで5,800円でした)

img001 (2).jpg

8月2日

フェリーの中で三泊目、朝早くついに北海道に上陸しました。

津軽海峡を超えるとあとは故郷まで陸続きなので
気持ちも楽になりますが、函館から故郷までまだ630キロもあります。

それでも自分の運転で北海道を走ることが楽しみだったので
函館を走ってるときは
とうとう北海道に帰ってきてしまったなぁと感無量でした。

img001 (3).jpg

函館市を過ぎると見覚えのある素晴らしい山が見えました。

楽しかった高校の修学旅行
同級生とワーワーキャーキャーと騒いでいたときに
列車の窓から今まで見たことがない山景色が見えたのですが

北海道にもこんな綺麗な山があるんだなぁと
列車の窓からしばらく見とれていたことを思い出します。

あのとき夕陽に照らされた山景色は
とても綺麗でなんとも言われませんでした。

標高はそれほど高くもないのですが、厳しいのにどこか優しい山景色。

それは北海道駒ヶ岳なんです。

駒ヶ岳(1131m)

1.jpg

それから八雲町、長万部町など海岸線を走って洞爺湖が見える頃
たまらなく北海道の牛乳が飲みたくなって
どこかのドライブインで牛乳を飲んだのですが
それは美味くて美味くて、牛乳はやっぱり北海道だと思いました。

心に残る景色が山と湖ばかりになりましたが、やがて札幌が近ずいてきました。

故郷では父が首を長くして私の帰りを待っているのですが
このとき私は札幌に住む親せきのところに一泊する約束をしていました。

そして地図を頼りに道に迷うこともなく札幌の親戚の
家に着いたのですが、なんと[exclamation×2]田舎で待っているはずの父がいたんです。

驚きましたが話しを聞くと
ジッと待ってられなくなったのと、札幌からドライブを楽しむつもりで
故郷から出てきて私が札幌に着くのを待っていたのです。

8月3日

予定では親戚の家に一泊してこの日に故郷へ向かうハズだったのですが
父も来たことだし親戚の子供たちも夏休み、もう一泊することになって
父と親戚親子を連れてドライブに出かけました。

来る時に通ってきた洞爺湖まで行って昭和新山や
白老(しらおい)町のアイヌ部落のようなところを見てきたのですが
昭和新山は中学校の修学旅行以来でした。

昭和新山とは私の生まれる6年前の昭和18年から19年にかけて
大爆発を17回も繰り返して出来た標高398mの山です。

昭和新山(398m)

3.jpg

こうして父と札幌の親戚親子と一緒に北海道の風景を楽しんで
この日も親戚の家に宿泊しますが、豊田市を出てから五晩目の夜も過ぎて
いよいよ明日は故郷に向かいます。

第二話おわり

あと書き

この愛知県から北海道へのドライブは
豊田市を7月30日に出発して、豊田市に帰ったのが8月14日の夜でした。

あのころトヨタでは、7月末から1週間ほど夏休み
そして1週間働いて今度はお盆休みが3日か4日あったと記憶しています。

ですから北海道に帰るため
有給休暇を含めてたっぷり長期の夏休みになったと思うのですが
どちらにしても、こんな長旅はこれが最初で最後でした。

それではまた第3話もぜひ読んでくださいね~[わーい(嬉しい顔)]

 


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RYUSYO

3話も楽しみ~(*゚▽゚*)
by RYUSYO (2013-08-04 01:08) 

和

何よりも親の愛・・・もういうことはありません。
by (2013-08-04 05:11) 

プー太の父

RYUSYOさん こんにちは~

もう古い話なので、なかなか覚えてることが
少なくなってきましたけど、記憶に残ることだけを
また書きたいと思います。
続きもぜひ読んでくださいね~(´▽`*;)
by プー太の父 (2013-08-04 19:26) 

プー太の父

和さん こんにちは~

いなくなってわかる親の有難さですね
まだまだ親孝行なんて足りないと思っているうちに
天国に行ってしまいました。
by プー太の父 (2013-08-04 19:31) 

ねこじゃらし

自分の若かった頃の思い出を振り返りながら
ブログに書いて残して置くって良いですね。
昔の感情が湧き上がってきますね。
プー太の父さんは本当に親思いの優しい方ですね。
今はお父様の子を待ちわびる親の気持ちがヒシヒシと分かります。
昭和新山、こうやって出来たんですね!
3話待ってますね~♪

by ねこじゃらし (2013-08-04 20:51) 

プー太の父

ねこじゃらしさん こんばんは~

暇つぶしのためにブログでもやってみるかと
目的もないのにブログを始めてしまったのです。
ですから、間もなく記事に書くことがなくなってしまいました。

苦し紛れに昔話を書きだしたら、すっかり楽しくなって
しまって、今は昔話をやめられなくなりました~(。´▽`。)
若いころ楽しんで、いまブログに書いてまた楽しんで
2回も旅行したようで得な気分になるんですよ。

親って、どこの誰よりも子を思ってくれるので
有難いものですね、次回もまた読んでくださいね~(*^_^*)


by プー太の父 (2013-08-04 21:26)