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吹雪の思い出話 [昔話]

北見にもやっと春がきましたぁ[わーい(嬉しい顔)]

今日(29日)のわが家の近く、春に見えますかね~

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なごり惜しいので
今日は昔(私が高校生のころ)の吹雪の思い出話をします。

ブリザードの村」と「ブリザードが村を襲った」という題名で
2度NHKの報道番組で放送されたくらい
冬は吹雪が当たり前だった、北海道宗谷地方の北オホーツク海側。

ここで生まれ育った私には、吹雪の思い出がたくさんありますが
そのときの思い出の一つを書いてみます。



猛烈な地吹雪の中、父を捜しに向かう
[exclamation]

黒い玉手箱で登場しました父が、私が中学生のころは
魚も獲れなくなったので
漁師をやめて郵便局の電報配達の仕事をしていました。

冬は天気がいいときは50ccのバイク
雪の日や吹雪の日はスキーで配達していましたが
遠いところは家から10キロから15キロほどの距離を配達します。

田舎のことなので
部落から次の部落の4~5キロの間は家が一軒もなくて
街の中の同じ距離とは比較できないくらい寂しくて遠い道のりでした。

或る日の午後、父は遠いところまでバイクに乗って配達に出かけましたが
出かけてしばらくしたら、風が強くなって雪も降り出しました。

やがて本格的な吹雪になってしまいますが
夕方には帰る予定の父は夜の8時になっても9時になっても帰ってきません。

もう11時も過ぎたころだったと思いましたがgaiyo_map.gif

いよいよこれは大変なことになったと思って

私は家を出て猛烈な地吹雪のなか

その日の父の配達ルート(国道238号線)を

稚内方向に向かって歩きだしました。

そして3キロ程歩いた頃、地吹雪の中に人影が時々見えました
こんなひどい地吹雪の田舎の国道、クルマはまったく走れない状態。
歩く人だっているわけがないので
人影は電報配達の仕事をしてる父しかいないとすぐにわかりました。

やがて目の前に現れ「お~心配して迎えに来たのか」と父の声

見つかるかどうか不安でしたが、父を見たときは本当にホッとしたものです。


息をするのも大変な吹雪のなか、かなり苦労して途中までバイクを押して
歩いて来たようでしたが、あちこちに雪の吹きだまりが出来てしまったので
諦めて途中でバイクを置いて来たのでした。

乗り捨ててきたバイクは、後日天気が回復してから又長い距離を歩いて
父が取りに行ってきましたが、漁師をしていて天気には詳しい父でも
予想外の急変した天候だったのでしょう。


あと書き

吹雪のなか父と会った国道の近くにその何年か後
吹雪からの緊急避難用
パーキングシェルターが出来ました。

これはスノーシェルターとは違って
海岸線の地吹雪の多いところにありますが、中にはトイレと電話が
設置してあり、道北には3か所のパーキングシェルターがあるようです。

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この吹雪のひどかった一帯はサルフツ原野と言いますが
本当に何もないという言葉がピッタリの風景なのです。

そんな何もない荒涼とした風景が良かったのか

私が小学生のころの大作
人間の條件(仲代達矢/新珠三千代)のロケが行われたこともありました。

このとき先生が、みんなをロケの現場まで連れて行ってくれたのですが
残念ながらその日の撮影は終わっていて、がっかりした思い出があります。

 

 


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コメント 13

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Algernon

北海道の冬。ワタシには想像もつかない厳しさですね。
by Algernon (2013-03-30 01:42) 

ハマナス

雪解けが進んで、ずい分春らしくなりました。
パーキングシェルターは知らなかったです。
オホーツク沿岸、北の方は風が強いですから。
人間の条件のロケも行われていたのですね。

吹雪になると学校が休みになり嬉しかった思い出が^^;

by ハマナス (2013-03-30 07:40) 

プー太の父

Algernonさん こんばんは~

こんな厳しい冬に慣れた私が、愛知県に行った年(昭和43年)は
そちらの湿度の高い暑さが大変でした。
九州や沖縄から来ていた人達も、愛知県のほうが暑いと
言ってたので本当に暑かったですね。

最初の年の冬は私が薄着してるのを見て、そちらの人達は
驚いていましたが、だんだんそちらの気候に慣れてしまって
愛知県の冬も寒く感じるようになってしまいました。

by プー太の父 (2013-03-30 20:04) 

プー太の父

ハマナスさん こんばんは~

だいぶ春らしくなってきましたね~
こんな会話を出来るのも同じ所に住んでるからで
本州の人達から見たら、まだそんなに雪があるの~って
不思議に思うでしょうね。

吹雪のときは学校が休みになったり
早く授業を終えて集団下校したりと、楽しみもありましたね。
去年もチューリップが咲いてるのに雪が降り積もったりして
まだまだ油断は出来ないですけど、やっぱり春は嬉しいです。
by プー太の父 (2013-03-30 20:16) 

ねこじゃらし

プー太の父さんとは同い歳ですけど
住んでいる場所が北と南なので全く違う時代を生きて来たような感じがします(笑)
お父様は家長として大変なご苦労をされたんですね。
地吹雪の中で親子が出会えて本当に良かったです。
最近のニュースであった父親が
子供を守って被さるように亡くなった事故を思い出しました。
出会えて本当に良かった!
by ねこじゃらし (2013-03-30 21:32) 

プー太の父

ねこじゃらしさん こんにちは~

小さな日本の国なのにずいぶん違うものですね
冬の話ばかりしていましたけど、夏は暑かったなんて
記憶がないくらい涼しいところでした。

海岸線の強烈な地吹雪になると、あっという間に道路が
雪で覆われて道がなくなってしまいます。私も故郷で一度
父と同じ経験してしまって(愛知県から故郷に戻った年)
やはり車を放置して、歩いてやっと家にたどりついたことがありました。

3月初めの父親が娘さんを守って亡くなった事故も、オホーツク海側の
海岸近くの街でしたが、本当に気の毒な事故でしたね。

by プー太の父 (2013-03-31 11:37) 

RYUSYO

お父様の思い出話 ドキドキしながら読みました
お父様の声が聞こえたときは安心したでしょう・・・
シェルターもあるんですね!北海道はこういうシェルターをもっと作ったほうが
いいのかもしれないですね(今年の悲しいニュースを聞いて)
雪解けの季節ですね。散歩がしやすくなりますね(^^)
by RYUSYO (2013-03-31 22:10) 

プー太の父

RYUSYOさん こんばんは~

あのときは、どこかで倒れてるんでないかと不安でしたので
父の姿を見たらとにかくホッと安心したものです。
これだけあちこちで不幸な事故があったのだから
シェルターを増やすなど、考えてくれるといいのですけどね。

住宅街の道路は、片側1車線近くが除雪した雪の置き場に
なってしまって、すごく狭いところがあちこちにあります。
最近やっと道路も乾燥して散歩もしやすくなりました*´∀`*
by プー太の父 (2013-03-31 22:56) 

和

経験したこともない雪国の【深い】話ですね。
私の父とは全く違った方です。

こちらはお酒ばかり、体をアルコールで消毒をして早死に。
その代わりにその生きざまが、こんなにタフな子供を育てました。
今は笑話です。
by (2013-04-02 06:27) 

プー太の父

こんにちは~

私の父はアルコールはまったくダメで、少し飲んだだけで
顔や耳が真っ赤になってしまって、
「こんな仕事は酒を飲む人には出来ない」と生前よく言ってました。

当時は電話が普及してなかったので、電報と言ったらほとんど
至急電報(ウナ電)でした。ですから夜にのんびり酒なんか
飲んでる人には出来ない仕事だったと思います。

家で休んでいても、常時拘束されているようなもので
精神的に大変だったと思います。
やっとこちらも、ところどころ土が見えて春らしくなりました~(*^-^*)
by プー太の父 (2013-04-02 15:51) 

プー太の父

和さ~ん 
上のコメントに名前入れ忘れました。
スミマセン(*´Д`)
by プー太の父 (2013-04-02 15:56) 

マザーグース

『電報配達』をされていたお父さん。。。大変なお仕事でしたね。
【早く・確実】に届けなくてはいけない『電報』。。。
雨や雪で大変な地域でも、全国同じ様に届くお手紙。。。
改めて『届けて下さる方』の責任感と、ご苦労に感動しました。('-'*)

迎えに出てくれた、プー太のお父さんが目に入った時の気持ちは…
ご本人にしか分からないほど嬉しくて、頼もしかった事と思います♪
極寒の地で有りながら、とても温かな思い出ですね。。。(*^-^*)


by マザーグース (2013-04-06 11:18) 

プー太の父

マザーグースさん こんにちは~

その当時電話のある家は、お金持ちの家だけでしたので
何かあるとすぐ電報で連絡、ということがほとんどでした。
酒の大嫌いな父なので良かったのですが
私みたいに晩酌する人間には出来なかったと思います。

私が愛知県に行ってる間にもいろんなことがありまして
バイクに乗っていて、踏切で国鉄の列車に接触して
軽い怪我をしたことがあったのですよ。
後で話しを聞いてびっくりしたものでした…(´Д`驚)…!!

by プー太の父 (2013-04-06 15:08)