ルポライター鎌田さん [黒い玉手箱]
私がトヨタ自動車を退社して間もなく、一冊の本に出合いました。
本の題名は自動車絶望工場
少し読んでみると、なんと私が所属していた本社工場機械部の話題。
そしてもう少し読んでみてびっくりしました~
私の働いていた隣の組の、知っている仲間の名前が何人か実名で
そしてエピソードなどもいっしょに書かれていたのです。
この本を書いたルポライターは鎌田慧(さとし)さん
今はNHKテレビや新聞に登場するほど有名な
ルポライターですが、当時私のすぐ近くにルポライターが
季節工として入り込んでいたとは・・・本当に驚きました。
入社したとき私は鎌田さんとは隣の組だったので
直接鎌田さんと会話したこともなかったのですが
あのとき自分の周りに季節工は一人しかいなかったし
作業帽子で区別されていたので
「あぁ鎌田さんってあの人だったんだ~」とすぐに思いだしました。
鎌田さんを見たのはトヨタに入社した年で、その後私も鎌田さんのいた組に
異動になったのですが、その時にはもう鎌田さんは退社していたようです。
びっくりするやら、嬉しいやら懐かしいやらで
私はすぐに鎌田さんに手紙を出したのですが、すぐに返事をいただきました。
しかしその大切な手紙がどこへ行ったのか、紛失してしまったのです
トヨタ自動車工場の本ですが、自動車絶望工場なんてすごい題名です。
でも
鎌田さんはルポライター、私は希望に燃えた?社会人一年生
働く目的も違っていました。
けして楽な仕事ではなかったかもしれませんが
あのときトヨタ自動車を絶望工場なんて思ったこともなく
こうして楽しかったあの頃を懐かしく思い出しています。