故郷の海 [故郷の話]
この古い写真は私が4歳のとき、実に60年前の写真なんです。
私の乗ってる船は、漁師をやっていた父の船ですが
なんとマストがあるのです。
そして海を見てください、ぜーんぶ帆かけ舟なんですよ。
漁船の動力が機械化されたのはこの2~3年後かと思います。
昭和29年7月2日(オホーツク海)
このころはまだニシンが獲れていたころで、父も東北あたりから
出稼ぎにきた若い衆を何人か雇って漁をしていました。
たまーに小さなフグも網に入ってるのですが
売れないからか料理が面倒なのか
浜に捨てられてカモメやカラスの餌になってしまうのです。
海から上がったばかりのフグは、腹をふくらませてポンポンに
なってるのですが、そのフグを石に向かって投げると
パーンといい音が出るのが面白くてよくやったものです。
食べるとすごく美味しいのですが
あまり食べさせてもらえませんでした。
きっと毒もあるので料理が面倒だったのかと思っています。
それにしても石にぶつけて破裂させるなんて
ずいぶん残酷な遊びをしたものです